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落とした手袋

2018年2月10日(土)
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シルエットの富士
冬の富士のシルエットを四年ほど前に撮った写真だ。ドライブがてら西湘バイパスのPAあたりから撮ったのかも。心が豊かだったのだ。おそらく隣の座席には妻がご機嫌で座っていたろう。閑話休題。他人にとれば、たわいのないことだろうが僕にとれば一大事件なのだ。
内容を詳述しよう。
八日の日にホームに妻に面会に行き、帰りの出来ごとだ。いつもホームを五時十五分に出る病院行の送迎バスに乗って帰ることにしている。病院からは最寄りのバス停で横須賀中央にでてくる。そこから折り返して観音崎方面のバスを利用する。方向が全く逆なのだ。
横断歩道を渡り観音崎方面のバス停に向かった。歩きながら今夜のお米を仕掛けてこなかったことを思い出した。バス停の前にお弁当屋さんがある。今夜は面倒だからお弁当を買うことにしてお店に入って注文した。出来上がるまで少し待たされ弁当をもって店を出た。数歩、歩いて手袋が片方ないことに気づいた。防寒着から背広からズボンのポケットからくまなく探し回った。ない。僕は慌てた。ただの手袋ではないのだ。妻が僕のために手作りで作ってくれた、かけがえのない手袋だ。再びお弁当屋さんに戻って落ちてないか探した。中にいたお客さんも探してくれたが落ちてない。『きっと表てで落としたんだよ…』という声に店を後にした。雑踏する街中で落としたとすれば、絶望的だ。涙が込み上げてきた。妻の手袋なんだ。買ったものじゃないんだ。他人には何の価値もない手袋。道で落としたとすれば容赦なく踏みつけられているだろう妻が作ってくれた手袋。形容が出来ないほど大事な大事な手袋。絶望的な思いで、もと来た道を雑踏する人をかき分けるように路面を目を皿のようにして探した。買ったものなら絶対このようなことはやらないだろう。妻が僕に作ってくれたのであればこそ、必死な祈るような思いで探した。信号が変わり横断歩道を渡って反対側の道路に出た。つまり病院から来た方向だ。渡り切って少し右に折れると銀行がある、その前まで来たとき、路上に黒いものが落ちている。まさかと思い近寄り、しゃがんで見た。なんと手袋だ。まぎれもない妻が作ってくれた手袋だ。あったのだ。肩が触れ合う雑踏の中でだ。正直、涙が出た。嬉しかった。『ママあったよ・・・』と心の中で叫びながら、しっかり握りしめてバス停へと戻っていった。バカみたいな話かも知れないが僕には何にも代えがたい手袋なのだ。まさに奇跡だった。嬉しかった。本当に嬉しかった。

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